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売上好調、120%アップの3要因

1.リピート率50%以上
 川岸店長の店舗目標は「当たり前≠フ継続と底上げ」だ。底上げとは、売上を上げるのみならず、スタッフのサービス力も上げるという意味だ。わらやき屋大阪北新地店(60席)の2022年の売上は750万円だった。2023年は900万円で、前年比120%。コロナ禍でランチ営業も行って乗り切り、そのランチ客がディナーへとつながった。リピート率は50%。飲食店のリピート率は通常25%前後なので、これは素晴らしい数字である。

2.スターを育てる教育力
 川岸店長はファンのお客様が多い花形プレーヤーである。そしてスタッフたちもまた優秀なエースプレイヤーに育て上げるべく、日々しっかりと教育している。コロナ禍においては社員中心の営業だったが、その後アルバイトを募集。独自のマニュアルを作って新人たちをトレーニングし、徹底的に教育してきたという。このため今ではスタッフ一人ひとりにファンのお客様が増え続けている。

3.改善スピード力
 上長から衛生管理・接客・クリンリネスに関する指摘があった場合、それを改善するスピードは早い。問題点や改善策をスタッフと共有化し、速やかに実践する。そのスピーディーな改善力は社内でもトップクラスだ。「すぐやる行動力」は、実力店長の共通点である。

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店長の、ちょっといい話

★遠方(東京)から大阪への出張時、毎回わらやき屋に来店する常連客がいて、毎回「皆さんで食べて」と言ってお土産を持ってきてくださる。そんな心遣いが嬉しい。

★北新地は歓楽街なので、同伴などで来店してくださるお客様も多い。常連になったクラブの女性から、店長の誕生日にサプライズのプレゼントをいただいた。

★わらやき屋のアルバイト卒業生が、社会人になって別の土地に引っ越しても、毎年わらやき屋で忘年会をしてくれる。

★人見知りでコミュニケーションの苦手な女性が、大学1年生で初めてアルバイトをした。4年間わらやき屋で接客業に携わることにより、コミュニケーション力が身に付いたという。「教育実習や発表などの場でも緊張せずに活動できたのは、この店で働いてきたおかげです」と店長に語ってくれて、胸が熱くなった。

 川岸店長の影響を受けて学ぶうち、いつしか自分自身の成長を実感できるようになるスタッフは多い。

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店舗運営で気をつけていること

1.ポイントカード
 薩摩ごかもんは131席の広い店なので、店長はスタッフの動きを全て見られるわけではない。だからこそ日頃から気配りや心配りの面まで、きめ細やかにスタッフをサポートすることが重要だと川岸店長は考えている。
 例えば、個室が多い店ゆえに、所作や手先の動きまでお客様から見られていることを意識するようアドバイス。また席効率を上げることよりも、お客様の気持ちを汲んでご案内するよう指導している。ビジネスマン2人の場合でもカウンターよりはテーブル席へ、お子様連れの家族にはテーブル席より個室へ、それぞれご案内するのだ。
 スタッフの笑顔率は現在80%ぐらい。新人スタッフにはいつも「顔がこわばっていたらお客様は声をかけにくいよ」と指導。気づいた時にはその都度「今、笑顔が出ていないよ」と、そっと囁くという。(いいですね!)
 ガラス面が多い店なので、クリンリネス面ではその美しさに気を付けており、常にきれいに磨いている。入口扉のガラスと取っ手も徹底的に磨き上げている。
 また清掃用具やダスター、スプレーなどは、お客様から見える位置に置かないようにしている。(大事なことです!)

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毎日の振り返りと、スタッフの個人目標設定

 店舗コンセプトが「お祭り」なので、店長の毎月の目標も「活気作り」や「笑顔の挨拶」などが中心となる。アルバイトスタッフも個人目標を決める。店長との1on1ミーティング(面談)で一緒に1ヵ月を振り返りながら、翌月の目標設定をしている。例えば「団体のお客様に対しては声を大きく」「QRコードのメニューからだからこそ、常にフォローを心がける」「個室の卓上ケアの徹底」などだ。
 またグループLINEで指示をした場合、入店時に毎回その内容をスタッフに尋ねて確認する。(徹底力を上げるためには重要なことです!)
 川岸店長のほめると叱るのバランスは6:4。営業中は気づいたことを注意(指摘)することが多いが、スタッフがシフトを上がる時には今日の指摘に対する説明を行う。「あの時はこうしたほうがお客様はもっと喜んでくださるよ」と指導をする。そして必ず、その日良かった点をほめる。新人スタッフには「今日はどうだった? 困ったことはない?」と毎回聞く。
 いつもスタッフの意見を聞くことにしているという川岸店長。面談では8:2の比率でとにかく聞く。スタッフから「ここが気になる」「こんなことをやりたい」という意見が出た場合、良いアイデアならすぐに実行する。
 川岸店長の今後の夢を伺うと、「この店(薩摩ごかもん梅田茶屋町本店)のリピート率を上げていくこと。それが私のこれからの目標です」と、熱く語ってくれた。