第53回 Frizza(フリッツァ)専門店C'est Moi!(セ・モア!)店主 野本孝司氏
ピッツァ生地で具を包んで揚げたナポリ料理「ピッツァ フリッタ」を、テイクアウト商品として独自にアレンジした“フリッツァ”で注目を集めている「C'est Moi!」。店主の野本孝司氏は、辻調フランス校講師を辞して独立開業。「食から生まれる笑顔のキャッチボール」をコンセプトに、お客と積極的にコミュニケーションを楽しむ独自の販売スタイルでファンを増やし、わずか7坪で1日100個以上をコンスタントに売る人気ぶり。百貨店のバイヤーなどから頻繁に催事依頼が絶えない「C'est Moi!」の魅力とは…。
1975年神奈川県生まれ。定食屋を営む両親のもとで育った影響もあり、料理の道を志す。辻調理師専門学校でフランス料理を専攻し、フランス留学後、辻グループ校講師として約14年間勤務。料理への真摯な情熱と実力をかわれ、うち6年間はフランス・リヨン校にて教鞭をとる。2008年に帰国し、「日本の子どもを食で元気にしたい」との考えから、2009年7月、フリッツァ専門店「C'est Moi!」をオープン。
セ・モア!のブログ http://ameblo.jp/reyrieuxjojo/
C'est Moi!(セ・モア!)
住所/東京都世田谷区三軒茶屋1-37-1
TEL/11:00〜21:00
営業時間/ディナー 18:00-23:00(LOは22:00)
*ピザ生地がなくなり次第終了
定休日/月曜日
住所/東京都世田谷区三軒茶屋1-37-1
TEL/11:00〜21:00
営業時間/ディナー 18:00-23:00(LOは22:00)
*ピザ生地がなくなり次第終了
定休日/月曜日
“食を通じて何か救いになることを!”と独立
学生時代はずっと野球を続けていたのですが、プロをめざす気はなく、全く別の道へ進もうと考えていた折、父が倒れてしまったのです。実家は定食屋を経営していて、父も弱気になったのでしょう。「料理の道へ入って欲しい」と告げられたのが、この世界へ入ったきっかけでした。
もともと店の手伝いをしていて料理は好きだったし、やるなら一番になりたいという気持ちも強かったので、調理師学校時代は必死に勉強しましたね。フランスへ1年料理留学したのち、学校から「講師にならないか」との誘いを受け、約14年間、講師として勤めました。
そのうち6年間はフランス校に在職し、その後、帰国してみると、日本では未成年の犯罪や幼児虐待など、子どもにまつわる悲しいニュースが連日報道されていることに愕然としました。「日本はどうなってしまったんだ?」と思いましたね。「飲食業界に身をおく者として、食を通じて何か救いになることができないだろうか」と考えたのが、独立のきっかけでした。
両親を見ていて飲食店の大変さはわかっていましたが、高齢になった今もお客さんと親密なつながりをもてるような職業は素晴らしいと感じました。また、サラリーマンよりも豊かな人生が送れるのではと期待もしていました。
もともと店の手伝いをしていて料理は好きだったし、やるなら一番になりたいという気持ちも強かったので、調理師学校時代は必死に勉強しましたね。フランスへ1年料理留学したのち、学校から「講師にならないか」との誘いを受け、約14年間、講師として勤めました。
そのうち6年間はフランス校に在職し、その後、帰国してみると、日本では未成年の犯罪や幼児虐待など、子どもにまつわる悲しいニュースが連日報道されていることに愕然としました。「日本はどうなってしまったんだ?」と思いましたね。「飲食業界に身をおく者として、食を通じて何か救いになることができないだろうか」と考えたのが、独立のきっかけでした。
両親を見ていて飲食店の大変さはわかっていましたが、高齢になった今もお客さんと親密なつながりをもてるような職業は素晴らしいと感じました。また、サラリーマンよりも豊かな人生が送れるのではと期待もしていました。
イタリアのファストフードをベースにした“揚げピッツァ”
当店は「フリッツァ」の専門店です。「フリッツァ」とは、簡単に言うと、ナポリピッツァの生地でトマトソースやチーズなどの具を包んで揚げた食べもの。現地・イタリアでは屋台などでも売られていて、子どものおやつにも食べられている日常的な軽食メニューです。
当店では粉と水、塩を合わせて生地を作るところから始まり、トマトソースなど中の具も手づくりを徹底しています。毎日、熟成させて“生地玉”の状態まで仕込んでおき、注文ごとに具を包んで揚げます。そうすることで商品のバリエーションをいろいろと増やし、食材ロスはほぼゼロに抑え、また、お客様にはアツアツの状態で提供できるのです。
さらに、揚げることで香ばしさが加わるのも、ピッツァにはない独自のおいしさ。冷めても固くならないので、テイクアウト商品にも向いているのです。同じ生地をひと口大のボール状にして揚げ、砂糖やきな粉をまぶした「フリッツァボール」(200円〜)や、生クリームやフルーツを巻いた「もちもちクレープ」(380円〜)といったスイーツ系の商品も提供しています。
こういったスイーツ系商品は人気パティスリーで修業したパティシエの中村優くんが担当しており、クリスマスにはクリスマスケーキも販売しています。優くんはオープン間もない頃からお店を支えてくれていて、彼がいたからこそ作れたメニューもたくさんあります。
当店では粉と水、塩を合わせて生地を作るところから始まり、トマトソースなど中の具も手づくりを徹底しています。毎日、熟成させて“生地玉”の状態まで仕込んでおき、注文ごとに具を包んで揚げます。そうすることで商品のバリエーションをいろいろと増やし、食材ロスはほぼゼロに抑え、また、お客様にはアツアツの状態で提供できるのです。
さらに、揚げることで香ばしさが加わるのも、ピッツァにはない独自のおいしさ。冷めても固くならないので、テイクアウト商品にも向いているのです。同じ生地をひと口大のボール状にして揚げ、砂糖やきな粉をまぶした「フリッツァボール」(200円〜)や、生クリームやフルーツを巻いた「もちもちクレープ」(380円〜)といったスイーツ系の商品も提供しています。
こういったスイーツ系商品は人気パティスリーで修業したパティシエの中村優くんが担当しており、クリスマスにはクリスマスケーキも販売しています。優くんはオープン間もない頃からお店を支えてくれていて、彼がいたからこそ作れたメニューもたくさんあります。
1日1800個売る日も!催事でも大ヒット!
プロとして、おいしいものを作るのは当たり前のこと。そこから一歩踏み込んで、家族の笑顔を増やすお手伝いがしたいというのが私の夢であり、店のコンセプトでもあります。そこで私がミッションとして掲げているのが、「子どもの未来の食に貢献する」こと。
例えば、今の子どもは柔らかい食べ物が好きであまり歯を使わず、顎や脳の発達に影響することが問題となっています。そこで「フリッツァボール」を作る際には、歯科医の先生に相談して子どもの口の大きさや噛む回数などまで計算してもらい、しっかり噛める生地やサイズに整形しました。
加えて、オープン以来ずっと大事にしているのが、お客様とのコミュニケーションです。オープン間もない頃から携帯のメール会員を募集して顧客獲得に注力し、現在はFacebookを活用して新商品の告知などを行ない、常連さんとの会話も楽しんでいます。
今はお客様の9割が女性で、客単価は700円ほど。「他にはないオリジナリティの高い商品」という強みから催事への引き合いも大変多く、2011年度は、首都圏の百貨店を中心に年間で10回出店しました。そして多い日には1日で1800個も完売。売上ベースで言っても、催事と店舗販売の比率が7対3と、催事の割合が年々増えております。「フリッツァ」をより多くの人に食べていただける機会が増えたのを大変嬉しく感じているところです。
2012年からはデリバリーにも着手し、いずれはまとまった量のケータリングにも対応したいと考えています。そして将来的には、やはりきちんとしたイートイン・スペースのあるお店を作りたいですね。昨年は「フリッツァ」と「フリッツェリア」の商標を取得したので、今後どう生かしてブランディングしていくか、しっかり考えて展開していきたいと思っているところです。
例えば、今の子どもは柔らかい食べ物が好きであまり歯を使わず、顎や脳の発達に影響することが問題となっています。そこで「フリッツァボール」を作る際には、歯科医の先生に相談して子どもの口の大きさや噛む回数などまで計算してもらい、しっかり噛める生地やサイズに整形しました。
加えて、オープン以来ずっと大事にしているのが、お客様とのコミュニケーションです。オープン間もない頃から携帯のメール会員を募集して顧客獲得に注力し、現在はFacebookを活用して新商品の告知などを行ない、常連さんとの会話も楽しんでいます。
今はお客様の9割が女性で、客単価は700円ほど。「他にはないオリジナリティの高い商品」という強みから催事への引き合いも大変多く、2011年度は、首都圏の百貨店を中心に年間で10回出店しました。そして多い日には1日で1800個も完売。売上ベースで言っても、催事と店舗販売の比率が7対3と、催事の割合が年々増えております。「フリッツァ」をより多くの人に食べていただける機会が増えたのを大変嬉しく感じているところです。
2012年からはデリバリーにも着手し、いずれはまとまった量のケータリングにも対応したいと考えています。そして将来的には、やはりきちんとしたイートイン・スペースのあるお店を作りたいですね。昨年は「フリッツァ」と「フリッツェリア」の商標を取得したので、今後どう生かしてブランディングしていくか、しっかり考えて展開していきたいと思っているところです。
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